今年のサクラを愛機の5DMarkIVで撮ってきました。玉はCanonのF2.8の100ミリマクロのみ。
桜と菜の花のコラボは春を代表するシーンです。ソメイヨシノはほぼ白ですが、うっすらピンクの花びらと鮮やかな黄色のコントラストがなんとも言えません。河原で見かけたら逃さず撮りたいところです。
川越しにローポジションで圧縮効果

しゃがむくらいのローポジションからややハイアングルで川越しの遠景のサクラのボケと前景の菜の花の玉ボケで遠近感を表現しました。こういうケースはハイポジションだと川越しに色々余計なものが映り込みます。前景で隠してしまうのがセオリーです。今回は単焦点の100ミリマクロ一本で全て撮るので焦点距離を変えれません。うまく体を前後に移動して良い具合に場所探しをしていきます。花の蜜に寄せられてチョウチョやミツバチが写り込むのを狙ってみました。
寄りまくって明るく撮る

マクロならではのヨリです。ギリギリまで寄る時は構図が小さな動作で位置がずれます。そこに注意しながら暗めの要素を入れてメリハリをつけます。名画は明暗があります。それが引き締めます。この場合は幹を入れて、明るい空に明るい花びらでイメージが漫然とならないようにしています。こういうケースは影が柔らかくなるのを狙って曇りの日に狙いたいですね。花びらの輪郭もソフトなイメージに仕上がるからです。ギリギリまで露出を上げてハイキーに仕上げました。ハイキーだとマクロのリングライトを焚いても良いのですが強すぎると花びらの透け感が失われます。
トンネル効果を狙ってみる

前ボケを入れてトンネルから覗くイメージでたくさんのサクラに囲まれている印象を表現しました。ソメイヨシノは枝ぶり探しが難しいです。かなり垂れた枝が上手いことあればそれを使って枝の隙間越しに遠景の別の枝の花びらを狙います。AFだとフォーカスが迷うので一旦フォーカスを当てたら場所を変えない限りMFにしても良いですね。露出はやや明るめに補正して撮るとうまくいきます。この構図は奥のさらに奥の背景の空にレンズを向けるので暗めに補正がかかるのが理由です。
道や人を入れてみる

風景写真には人工物は極力入れたくない派です。望遠レンズは歪みが少なく広さを表現しづらい反面、余計な写り込みが減らせて切り取りやすいのが使いやすさとも言えます。もともと私は16ミリくらいの超広角で作るパンフォーカスが大好物でしたが望遠マクロも面白いです。あえて道や人を入れることで消失点を脳に錯覚させることができます。圧縮効果で平面と化した絵に奥行きをしっかり表現できます。